柏葉巴と雛苺

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恋をしています

 

 

 

がんじがらめに動けなくなって閉じこもってしまう幼馴染。そんな柏葉巴と雛苺

 

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この2人はキスしたことがローゼンメイデン8巻のガールズトークで明かされています。

巴雛は2人とも恋愛感情の欠片をお互いに抱いていることに気付いてないけど他のドールズの視点ではマスターとドールの関係より進んだ関係に見えているような関係…純粋で一番お互いを想い合えてる関係だと思います。

  

何故この2人はこのような関係なのでしょうか?何故雛苺は大好きな巴を第82633世界に閉じ込め、何故巴は媒介として許容量以上の力を雛苺に与えたのでしょうか?

その背景は雛苺の過去に隠されています。

 

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 Rozen Maiden 2

 

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Rozen Maiden 6

 

コリンヌ11才の時、南仏、大きな力。暗にホロコーストが仄めかされています。

雛苺は唯一「壊された」ドールなのです。
大好きな巴を閉じ込めてしまったのは他のどの姉妹よりも幼い雛苺の他のどの姉妹よりも暗い過去ゆえなのでしょう。

雛苺は「これでずぅっと二人きりだわトモエ」(Rozen Maiden 2)と巴と二人きりでいたいことを仄めかしています。雛苺は巴のことが好きなのです。二人きりでいたいという感情はマスターとドールの関係より進んだものです。一人ぼっちが怖いだけじゃない恋愛感情の欠片が雛苺の感情と巴のキスに仄めかされているのです。

 

 

 

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 Rozen Maiden 2

 

第82633世界は巴の部屋によく似ていて、巴は雛苺の姿をしています。
nのフィールドが神智学のメンタル界だとすると第82633世界が巴の部屋を映し巴が雛苺の姿を映すのは雛苺の想いと巴の想いを映したものです。

巴の消滅は雛苺の依存と巴の献身の寓意なのかもしれません。

 

巴と雛苺の幻でアリスゲームが始まることを告げたのは雪華綺晶なのでしょう。7人の薔薇乙女が一斉に目覚めたことを知っていることと巴が第82633世界で白い少女人形を目撃していたことが物語っています。

 

雪華綺晶は巴と雛苺のことを知っていたのではないでしょうか?
第82633世界に雪華綺晶が訪れたのも雪華綺晶が巴の消滅を予知していたためと考えても不思議はありません。

 

 

 

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Rozen Maiden 7

 

雛苺は夢の中で巴に何かを訴えます。巴の夢の世界は巴の無意識の領域と繋がっています。巴の無意識と雛苺の無意識が結ばれているのは巴と雛苺が一体となり消滅しかけた過去の作った歪みなのかもしれません。

 

雪華綺晶についてラプラスの魔は「七番目はそもそも器を持たない」「糧とするのは人間のこころ」と言っています。ローゼンメイデンの主題は神智学の概念と深く繋がっています。神智学の世界観ではエーテル体・アストラル体・メンタル体が一体となって低位我・人格を構成するとされています。

 

エーテル体=雛苺
アストラル体=雪華綺晶
メンタル体=マスター

 

雛苺のボディを奪い実体化してもマスターを苗床にしなければ雪華綺晶は存続すらできないのです。雛苺が夢の中で巴に訴えていたことは雪華綺晶がマスターをみんな苗床に欲しがっていることです。雛苺は巴を守りたいのです。

 

ローゼンは生命そのものを創ることで形而上の存在になりました。ローゼンは神に挑戦する罪のしるしを水銀燈に刻み命を創り続けます。

 

生きた人形を創りたかったローゼンは「戦うこと」と「マスターと出会うこと」の二つの意味をアリスゲーム...箱庭の少女人形たちが傷つけ合い穢し合いそれでも生を手にするためのものの中に内包させました。至高の少女は人間のマスターとの絆の繋がる先にあるのです。

 

「毒入りお菓子」の雛苺と巴の二人きりでいたいという感情に支配されて大好きな巴を閉じ込めて消滅させかけても雪華綺晶にボディを奪われて存在がなくなってしまっても決して消えない絆の繋がる先にあるのは至高の少女なのです。

 

 

 

雛苺のことを想う巴ちゃんってとっても可愛いです💕 

 

 

 

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☆ローゼンのことを探る手掛かりとして『化学の結婚』というローゼンの生命の創造の思想が寓意的に描かれた小説が存在します。